【初学者向けシリーズ】意匠制度概論 解説動画

2024.09.25

板書:意匠制度概論

1.意匠制度の存在意義
 →①優れた意匠の保護を通じて需要を増加させ、産業の興隆を実現する。

②優れた意匠は技術的に優れていることもあり、技術の進歩ひいては産業の発達が意匠そのものにより直接に実現される。

2.意匠法の保護対象は?
 →意2条1項の意匠が保護対象である。では、「意匠」とは?

3.どのくらいの期間保護されるか?(意匠権の存続期間)
 →原則、現実の出願日から25年だが(意21条1項)、関連意匠の意匠権は基礎意匠の出願日から25年である(同条2項)。

4.意匠登録要件とは?
 →意3条(狭義)、意17条各号(広義)

5.意匠権を取得するための手続は?
 →意匠登録出願(意6条)、出願手数料納付(意67条2項)、登録料納付(意42条・43条)
 →知的財産初学者のための「意匠登録出願」解説 参照

6.意匠法特有の制度
 →部分意匠制度、関連意匠制度、組物の意匠制度、秘密意匠制度、動的意匠制度、内装の意匠制度

7.中間手続(任意手続)
 →意見書、補正、出願分割、出願変更、パリ優先権主張

8.意匠権の効力
 →直接的な効力(意23条)、間接的な効力(意38条)

9.意匠権消滅手段
 →意匠登録無効審判(意48条)→登録無効の効果(意49条)

10.侵害に対する救済措置及び留意点
 →差(意37条)・損(民709条)・不(民703・704条)・信(準特106条)・刑(意69条・69条の2)

(秘密意匠の意匠権の場合における留意点)
①差止請求の前に所定の警告が必要(意37条3項)。
②損害賠償請求や信用回復措置請求において、過失が推定されない(意40条但書)。

11.上記10に対して被告がとり得る措置
 →否認、抗弁(先使用権、先出願による通常実施権、無効の抗弁、公知意匠の抗弁、消滅の抗弁)

意匠登録無効審判
私的自治(譲渡・放棄・ライセンス(意27条・28条)の交渉、裁定制度(意33条)の利用)
製造販売の中止、デザイン変更

以上、11テーマです。

特許制度・実用新案制度は、技術的思想の創作を保護する制度ですが、意匠制度は物品等のデザインを保護する制度です。
特実は理詰めで勝負するのに対し、意匠は見た目で勝負します。
つまり、審査段階や訴訟段階において、意匠の類否判断が極めて重要です。
意匠の類否判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行います(意24条2項)。
具体的には、①物品等同一・形状等類似、②物品等類似・形状等同一、③物品等類似・形状等類似
のいずれかの場合に、意匠が類似と判断されますが、部分意匠の類否判断は一筋縄ではありません。

ということで、以下の動画も併せて視聴するとよろしいかと思います。
【初学者向けシリーズ】部分意匠の類否判断いついて


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